2015年12月20日日曜日

Good Old Fashioned Lover Boy - Queen 和訳

Good Old Fashioned Lover Boy - Queen 和訳


邦題「懐かしのラヴァーボーイ」です。
アルバムは「華麗なるレース」と、映像ではグレイテストヒッツ1のディスク2に入っています。

「グレイテスト・ヒッツ1」に収録されているBBC(日本で言うところのNHK)で放送された、この「Good old fashioned lover boy」では、CDのものと違い、リズムがちょっと早いです。
放映上、時間の都合で短くしたのでしょうか。

白いツナギの同じ衣装、同じアルバムでありながら、「Tie Your Mother Down」で女学生を誘う曲を歌っていますが、全然イメージが異なるのがフレディの表現力ですね。

歌詞に出てくる「バレンティノ」とは、タンゴを踊る=ルドルフ・ヴァレンティノを指すと思います。
アルゼンチンタンゴの名手で俳優。
31歳で没。超イケメンの人気俳優です。


▼ルドルフ・ヴァレンティノ。1895年5月6日~1926年8月23日。




「スクリーンから彼が見つめるの」という理由で、多くの女性がお洒落してメイクを決めて、映画を見に行った、という逸話を持っています。

フレディの情熱的なのに甘い歌声と、優しいコーラスのこの曲はとても引き付けるものがあります
和訳はいつものように、分かりやすい様に意訳を足します。

▼ちょっとテンポの速いBBC版



▼映像では無いけれど、コーラスのきれいな通常版



Good Old Fashioned Lover Boy
「恋する好青年」

品のある青年が、流れるような口調で女性に語りかける。

I can dim the lights and sing you songs full of sad things
部屋の明かりを落としたら、
情緒あふれるような涙さそう歌を君に歌うよ。

We can do the tango just for two
ご希望なら情熱的なタンゴだって踊れるよ。二人っきりで。

I can serenade and gently play on your heart strings 
心の琴線にやさしくふれる、
セレナーデを奏でることも出来るんだ。

Be your Valentino just for you 
僕は君だけのヴァレンティノさ。

うっとりと聞き入る女性。
青年にはいつも、冷やかしともとれる言葉が投げかけられる。

Ooh love, ooh lover boy What you doin' tonight, hey boy 
「おい、恋する好青年君。今夜はどうするつもりだい?」

Set my alarm, turn on my charm 
君とベッドに入る前に、目覚ましのアラームをセットして、と。
おや、君はもう僕の魅力の虜になったみたいだね。

That's because I'm a good old fashioned lover boy
だって僕は礼儀正しいだけじゃなくて
この胸の内側には、激しい恋が宿っているから。

Ooh let me feel your heartbeat (grow faster, faster)
ねえ、君の鼓動を聞かせて?ほら、どんどん早くなってる。

Ooh ooh can you feel my love heat
今度は僕が熱くなってるのを感じて。

Come on and sit on my hot seat of love
さあ、次は僕の上に乗って。

And tell me how do you feel right after all 
どれくらい感じているかを、あとでゆっくり聞きたいな。

I'd like for you and I to go romancing
今は僕とひとつになろう。

Say the word your wish is my command 
もう君の好きにして欲しい。

めくるめく夜は続く。セットした時計が鳴るまで。
別の日、颯爽と歩く好青年。また冷やかしの声が飛ぶ。

Ooh love, ooh lover boy What you doin' tonight, hey boy 
「おやおや、恋する礼儀正しい青年殿。今夜はどんなご予定で?」

Write my letter, feel much better
今夜はそうだな。あの娘にラブレターを書くのもいいな。

And use my fancy patter on the telephone 
そうだ、手紙より直接、電話で伝えるのがいいかも。
濡れしたたる雨音のようにね。

夜が訪れ。
情熱的な彼の言葉は、
受話器を通して遠く離れた彼女の耳元に届けられる。

When I'm not with you I think of you always I miss you
一緒にいられなくても、いつも君の事を考えているよ。
ああ、今すぐ会いたい。

(I miss those long hot summer nights)
二人で熱く長い夜を過ごした、あの夏の日々が恋しいよ。

 When I'm not with you think of me always
どうか君も僕の事を、同じようにいつも考えていてほしい。

I love you, love you 
どんなに君を想っているか、もうおかしくなりそうな程だよ。

またある日、仲間うちから声が掛かる。

Hey boy where do you get it from
「おい、君。恋するそこの青年君。そんな古風な恋愛術は、

Hey boy where did you go
どこでどうやって覚えたのさ?」

I learned my passion in the good old fashioned - School of loverboys
学校でまあ、ちょっとね。
内に秘めた燃える情熱と、礼儀正しい姿勢。
僕みたいな青年がたくさんいたんだよ。

また女性に甘い言葉をささやく青年。
きれいな発音、丁寧な言葉、そしてデートの約束は交わされる。

Dining at the Ritz we'll meet at nine precisely 
リッツ(高級レストラン)で食事でもいかが?
ちょうど9時だよ、いいかな。
僕は遅れないよ、君と1秒でも長く会っていたいんだ。

(one two three four five six seven eight nine o'clock)
1時、2時、3時、4時、
チクタク時計の音。ああ、時間が来るのが待ち遠しい。
5時、6時、7時、8時、チーン!やっと9時だ。

 I will pay the bill, you taste the wine 
ここは僕が持つから、君はワインを楽しむと良いよ。
帰りのことは気にしないで。

Driving back in style in my saloon will do quite nicely 
僕の高級セダンで送って行こう。
(ドアを開け、手を差し伸べつつ)乗って?
エンジンも静かでシートのすわり心地も良いでしょう。

Just take me back to yours that will be fine 
君の部屋まで送ったら、それからどうするか分かる?

(come on and get it)
(もう君は僕のものだね!)

 Ooh love, Ooh lover boy What're you doin' tonight, hey boy
「おーい、恋する青年ってねえ君、今夜はどう過ごすんだい?」

(There he goes again just like a good old fashioned lover boy)
「彼は今日もまた、古い紳士的な振る舞いで、
多くの女性を虜にするんだろうね。ああ、なんてやつだ。」

送っていった部屋のドアの前。
目を潤ませてじっと見つめる女性を目の前にして。

Everything's all right, just hold on tight
ギュッて抱きしめて。それだけで何もかも充分。
何度経験しても、この瞬間が一番、最高に満たされた気持ちになるんだ。

That's because I'm a good old fashioned, fashioned, lover boy
だって僕は、そう古風さ。
でも、この古き良きスタイルは、純粋に愛を実感できるから。



以上です。


字幕付き動画を2つ作りました。

▼テレビ放映版の、字幕付き動画。
「クイーンは、デヴィット・ボーイが急遽テレビ出演がキャンセルになって…云々」のテロップが出ます。



▼グレイテスト・ヒッツ版の、字幕付き動画。
ちょっと画質が良い。






礼儀正しく、品よく、身のこなしは華麗に。
たくさんの女性と恋愛を重ねている姿をイメージしました。

ヤッちまえばこっちのもの的な「Tie Your Mother Down」を、まさかBBCで演奏するわけにいかんでしょうし。
同じ口説くにしても、対極的ですね。

個人的には、ヴォーカルのフレディー・マーキュリーは、ヒゲをはやす前がルックス的に好きです。

この頃のフレディーに、こんな風に電話で気持ちを伝えられたうえ、デートをエスコートしてもらったり、その上、「ギュッてして。」と言われたら、もうね。
フレディーがゲイとかバイとかは、この際どうでも良いと思います。


おまけというか。

▼フレディーのサービス・ショット。
もしもし、下着見えてますよ。それに枕が2個ありますが。(意味深)
高画質のものを見つけてきたので差し替えました。

いつもステージですぐ脱ぐので、フレディーの裸身を見慣れた方も多いでしょうが、プライベートっぽい写真は逆に刺激的だと思います。





13 件のコメント:

  1. はじめまして。20年以上ゲイ男性カップルの歌だと思ってました。
    アルバムの歌詞カードの和訳もそんな感じでしたし。でも違うんですね。
    ネット検索したらあなたと同じように、男性が女性を誘っている歌だと断言されている人がいました。
    その方によると、ボーカルとコーラスを区別せずに男性の一人称で訳すとゲイの歌になってしまうとのこと。
    バイセクシャルを公言していたフレディですから、どちらにも取れるような歌詞にしたのかなぁとも思いますが。

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    1. はじめまして、Unknownさん。コメントありがとうございます。
      ねこあるきです。

      この曲はゲイか、バイの歌だと思われている方は多いですよね。
      私はまあ、解釈は自由だと思うのですけれど、ゲイだと決めつけて聴くと、こんな素敵な曲がもったいないと思うのです。

      フレディに流れるようなエスコートをしてもらったら、女性なら嬉しいでしょうし。

      余談ですが、私の知り合い(既婚男性)に、「女友達と、フレディ、同時にデートを申し込まれたら、どっちに行く?」と聞いてみたところ、即答でフレディでした(笑)
      理由を尋ねると、「だってフレディだよ?!」だそうです。

      なんだか、どちらでも良くなってきました。

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  2.  このアルバムはフレディーがまだ元気な頃の物ですから遠い昔の歌ばかりですが、私がこの、懐かしのラヴァーボーイ、を知ったのはつい最近です。

     韓流ドラマの中の喫茶店のBGMで、Somebody to love、を聞いたのがきっかけで、そうかこの歌を忘れていた、とばかりアルバムごとレンタルし、ウォークマンに入れたら時々聞こえてくる、という訳です。

     殊更この歌で気になるのは、when I'm not with you I think of you always I miss you…の部分…これは他の歌のメロディーの引用ですね。

     その元歌のタイトル及び誰の歌なのかが分からず、聞くたび悶々とするのです…茶碗を洗いながら…運転をしながら。


     こちらにお邪魔し、随分沢山の情報を頂けてとても嬉しく思います。( ・∇・)

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  3. 飛び入り失礼します。when i'm not with you〜のパートはマザーグースの子守唄Rockabye babyからの引用(オマージュ?)ですかね〜

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    1. 私もそう思います。メロディ似てますよね♪♪♪

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  4. はじめまして!
    映画の影響でQueenが大好きになった、まだまだ勉強中のQueenieです笑
    そのため、Queenの曲を聴きまくったり、調べているうちに、ここに辿り着きました。
    この曲の和訳を知り、もうこの曲とフレディが素敵すぎて私の鼓動も早くなり、胸がギュッとなり、言葉が出なくてため息ばかりが出てきてしまい、もう完全に恋する乙女です笑
    フレディのような王子様が私にも現れないかな〜と想いながら、今日もねこあるきさんの和訳動画をリピート再生致します笑

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    1. Unknownさん、はじめまして、ねこあるきです。
      返信が遅くなり、申し訳ございません。

      「懐かしのラヴァーボーイ」はフレディが本当に、もう本当に!仰る通り、素敵すぎて恋のときめきのように胸が苦しくて、何度も見返してはため息ばかり、…の繰り返しです。
      なんと罪深い、人心を惑わせる曲なんでしょう。しかもライブのみならず、良いアングルの、このBBC映像まである奇跡。
      しかし、昨今ではブルーレイもあるのだから、高画質版が出てこないかと欲が出て来ます(笑)
      Unknownさんと、この素敵な曲の世界を共有出来て嬉しく存じます。

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  5. はじめまして。素晴らしい和訳毎日拝見させて頂き感謝です。クイーンに夢中だった高校生の頃レコードに付いている歌詞カードだけが頼りで想像を膨らませていましたがあれから早、数十年の時を過ぎ(^_^;) ねこあるきさんに出会い、訳されている曲のイメージがどの曲も格段に素晴らしく受け止めることが出来、また曲によっては自然と涙がこぼれ落ちている毎日です。今は毎晩眠りにつく前の楽しみになっています。これからもよろしくお願いします。
    初めてで図々しいのですが、まだ訳されていない曲のリクエストをさせていただいてもよろしいですか?

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    1. ミッキーさん、コメント有難うございます。ねこあるきです。
      私の和訳をご覧になっていただき、光栄に存じます(^▽^)

      日本語は難しいですから、本当にさじ加減一つで微妙に雰囲気が変わってしまうので、これからも精進あるのみです。ミッキーさんには長い目でお付き合い下されば、有難く存じます。

      ところでリクエストはいつでも仰ってください。
      有難うございます!
      ただ、それがいつ出来上がるか、本当にお待たせしてしまうときの方が多いですので、気長にお待ちいただければ、とそれだけが申し訳なく思うのです。

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  6. ねこあるきさん、お忙しい中ご返信本当にありがとうございます(*^o^*)
    先日わたくし、8回目のボヘミアンラプソディーを鑑賞して参りました。以前ねこあるきさんのLiarのページで他の方とのコメントのやり取りを拝見させて頂き映画の中の手書きの歌詞はLiarではないかというお話でしたが私も気になっておりました。そして「Liar」の文字を確認致しました!
    間違い無くLiarでした。ねこあるきさん、やっぱりさすがです*\(^o^)/*
    そしてフレディのビジュアルについてですがねこあるきさんもファンレターのページにあるようにロングヘアの王子様、初期のフレディがお好きとの事、私も同じです。ロングヘアでアンニュイな雰囲気を漂わせ王子様的それでいてセクシーなフレディが大好きです。
    以前、東郷かおる子さんのインタビュー記事の中で「この世のものならざる雰囲気とインモラルさ漂う繊細な魅力を嗅ぎ分けられる人と全く気づかない人がいる」とあったのを思い出しました。
    そうゆう点ではねこあるきさんも私も嗅ぎ分けられた人の中の一人だったのですね\(^o^)/私の思い込み?ならすみません(~_~;)
    ちょび髭でマッチョなタンクトップのフレディも嫌ではないのですがやはり初期の頃のフレディは特別だと思います。
    ねこあるきさんのブログを拝見させて頂くとうんうん、と同調出来る事ばかりで嬉しい限りです。その昔私の周りにはQUEENの曲はいいけどビジュアルの事となるとちょっとねって感じで語り合える人がおらず文通相手(年代を感じる(^_^;))だけが熱く語れる相手でした(^_^;)
    嬉し過ぎて文章がはちゃめちゃで本当にすみませんm(_ _)m
    どうぞお許しを・・・
    最後に意訳のリクエストをさせて頂きます。沢山あって迷いましたがフレディが流れるように唄い上げる「神々の業リプライズ」をお願いします。無理せずゆっくりで構いません、楽しみにしてます。長文になりすみません(>人<;)

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  7. ねこあるきさんの翻訳を読んでると楽しそうにロンドンの街を歩くフレディが見えてくるようです。
    もうゲイとかバイとか関係ない!でもこの曲の相手は女の子であってほしいなって思います。
    私もこの頃のロングヘアーのフレディが一番好きかな。素敵な訳をありがとうございます。

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  8. ねこあるきさん、はじめまして。Queenの一連の日本公式CDの翻訳が好きになれず、英語の歌詞しか見ておりませんでした。ねこあるきさんの翻訳を拝見し、溜飲が下がる思いです。公式のはなんか乱暴な印象なのです。今後Queenのマイナーな作品も拝見いたします。

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